朽ちていった命―被曝治療83日間の記録
NHK「東海村臨界事故」取材班
読んで下さい。
そう自信を持って、強く皆に勧めたいものの
私自身が心が弱くて、文字であり最早文章でしかなくなったしまったこれすらも
目を背けずに隅々まで目を通すことができませんでした。辛すぎて。
そもそも以前一度新書で発行された本ですし、あれだけ有名な事件ですから
きっと既にご存知な方も多く、なんだよ今更、と思っていらっしゃるかもしれませんが。
私は文庫化を機会に初めて読みました。
人は、医学は、自分たちの生み出した力の前にこんなにも無力なものだったのか。
この本に始終漂っているのは、この医療に携わったスタッフのそんな無力感と挫折と絶望、そして放射線という人間が使用するにはあまりにも大きすぎる力の犠牲になった方の最期です。
はっきりと分かりました。
一度でも被爆してしまったら、人にはもう壊れていくしかないのですね。
壊れていく体を、見詰めているしかないのですね。
全ての努力が徒労に終わる。
私には医学の心得は全くありませんが、それでも、この症状というのがあまりにも常軌を逸しているというのは容易に察することができました。
そして本当に、どうしていいのか分からない状態なのだということも。