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【2006.11.04 Saturday 】 author : スポンサードリンク | - | - | - |
第三話 「おかあさん……」
テレビシリーズから劇場版までを観終った視点で行うアニメ鋼考察。第三話「おかあさん……」。

第三話は、リオールを去った後に立ち寄った古本屋にて、兄弟が初めての錬成に使った錬金術書「錬金術入門」をみつけ、故郷での思い出を回想するところから始まる。以降第九話まで、兄弟が現在に至るまでの過去が語られる。

エド6歳、アル5歳。兄弟は「錬金術入門」を見ながら、ウィンリィの誕生日プレゼントの人形を錬成する。しかし錬成途中の人形に怯えたウィンリィは泣き出してしまう。
兄弟の初めての錬成は、望んだ結果(=喜ぶウィンリィ)を得られなかった。物語のテーマを微かに感じさせるほろ苦い思い出をバックに、アルのナレーションが流れてオープニングが終了する。


場面は変わって、ロックベル家の前に並んで座り込んでいる兄弟。家の中ではウィンリィが両親になだめられている。兄弟の母トリシャはウィンリィに謝りつつも、「子供達は錬金術を知らないはず」と戸惑っていた。そんなトリシャに、ピナコは「やはりホーエンハイムの子供」と感慨深げに言う。この後、トリシャはこの言葉を兄弟の錬金術を見るたびに繰り返し言い続ける。

ロックベル家からの帰り道、トリシャは元気を取り戻した兄弟から錬金術を独学で学んだことを知る。してはいけないことだったのかと不安顔の兄弟だったが、トリシャの喜ぶ様子に安堵し顔を輝かせる。兄弟の錬金術は、ウィンリィを喜ばせることができなかった代わりに、トリシャを喜ばせたのである。

兄弟はトリシャから父ホーエンハイムの書斎を使うことを許され、錬金術に励む。ホーエンハイムが居なくなってからどこか上の空だったトリシャだが、兄弟の錬金術を見ることでホーエンハイムを思い出し、笑顔を見せるようになった。そうとは知らない兄弟は、母親の笑顔見たさに錬成してはトリシャに見せ続ける…。
家の外ではイシュヴァールの内戦で負傷した思しき帰還兵の姿が見られ、内戦の激化を感じさせていた。

エド8歳、アル7歳。ウィンリィの両親の死亡の知らせが届く。泣きじゃくるウィンリィを「自分達の父親も同じ」とアルが慰めるが、ウィンリィは「同じではない」「死ぬということは二度と戻らないこと」と拒絶する。そんなウィンリィに、エドは「戻らないことはない」「錬金術なら人を蘇らせることもできる」と言うが、ピナコに制される。「それは許されないこと」「錬金術は万能ではない」と。それに反発したエドはアルとともに追い出されてしまう。

ロックベル家からの帰り道、兄弟は自宅の前に居るトリシャの姿を認める。「もしも自分達の母親も死んでしまったら」。ウィンリィの両親の死を重ねたのだろう、たまらずトリシャに抱きつく。事情を知らず戸惑うトリシャ。しかし、この時に抱いた不安がやがて現実のものとなってしまう。

エド10歳アル9歳。長年密かに病を患ってきたトリシャが倒れる。病床でうなされながらホーエンハイムを呼ぶトリシャ。見かねたエドは不本意ながら、ホーエンハイムに手紙を出してきた人物に片っ端から「家に戻るように」と手紙を出す。
その甲斐もなく、ホーエンハイムに会うことなくトリシャは息をひきとる。そして、今際に聞いた「ホーエンハイムがよく作ってくれた花飾りを錬成してほしい」という言葉で、ようやく兄弟はトリシャが錬金術を見て喜んでいた理由を知ったのだった。

葬儀の参列者が次々と去っても、墓前から離れようとしない兄弟。とうとう日が暮れ、ようやくアルが「帰ろう」とエドに声をかける。しかしエドは無表情に墓標を見つめたまま、「母さんを元に戻そう」とだけ低く答える。未だ涙に濡れた顔で驚くアル。
いよいよ兄弟が悲劇の道へと足を踏み入れてしまう、というところで前半パートが終了する。


ホーエンハイムの書斎の奥、かつてトリシャに「開けてはいけない」と言われた扉の奥の部屋で、兄弟は書籍をあさっていた。
人体錬成の構築式を見つけ、エドはトリシャの錬成をアルに持ち掛ける。しかしアルは、「してはいけないことだと書いてある」「父さんに聞いてからの方が」と、なかなか首を縦に振らない。以前「父さんが嫌いなの?」とアルに聞かれたときは「わからない」と答えていたエドだったが、ここでホーエンハイムへの怒りを露わにする。
アルとは異なり、微かにホーエンハイムの記憶があるエドは、自分達を置いて姿を消したホーエンハイムに反発心を抱いてきた。それを抑えてホーエンハイムを頼ったのは、他ならぬトリシャのためだった。にも関わらずホーエンハイムはそれに応えなかった。しかもあろうことか、トリシャはずっと一緒に居た自分達よりもホーエンハイムを想っていたのである。
やり場のない怒りはホーエンハイムに向けられ、それがエドの人体錬成への決意をより強固なものにする。「アイツにできなかったことならやってやる」と。

場面が変わって、アルにより兄弟が師匠(イズミ)をみつけて修行を積んだことが語られた後、兄弟の悲劇の日が訪れる。
兄弟は修行から帰るやいなや人体錬成に挑む。肉体の材料を揃えていよいよ錬成という時、アルは再び錬成を躊躇する。「今更なにを言っているんだ」と取り合おうとしないエドに、アルは「錬金術は等価交換」「魂の代価はどうするのか」と食い下がる。しかし、自分達の血によって魂の情報を加え「これで全部だ」と言うエドに、アルはとうとう従ってしまう。
一方その頃、土砂降りの雨の中に1人、ロイがリゼンブールを訪れていた。「リゼンブール村か」と低く呟くロイ。

錬成が始まり部屋が光に包まれる。しかし突如光は不気味な色に変貌し、悲劇が起こる。自分の身体が分解されていく様を目にし、絶叫するアル。エドもまた自分の左脚が分解される様を目にする。兄弟は互いを求めて手を伸ばすが、エドの左脚が分解される姿を最後に、アルは意識を途絶えさせてしまう。
アルが意識を取り戻すと、自分は鎧の姿をしており、目の前には右腕と左脚を失ったエドの姿があった。すぐさまエドの元へ駆け寄り、何が起こったのか尋ねるアル。「自分の右腕を代価に魂を鎧に定着させた」と答えるエド。また、錬成されたのは「人じゃなかった」とも。無残な結果を目にし、「兄さんの理論は完璧だったはず」と叫ぶアル。「理論は間違っていなかった」「間違っていたのはオレ達だ」と答えるエド。しかし、その答えを出すのは既に遅かった。悲劇はもう起きてしまったのだ…。

アルは血まみれのエドを抱えてロックベル家に助けを求める。その姿に驚くピナコとウィンリィだったが、ウィンリィは鎧がアルであることに気づく。
手当てをしたエドを寝かせ、ピナコとウィンリィはアルに事情を尋ねる。「母を錬成しようとしたのか」と。アルが押し黙っていると、突如部屋にロイが入ってくる。銀時計を見せ国家錬金術師であることを示すロイを、ピナコは「軍人がなんの用だ」と追い出そうとする。ロイはエドがホーエンハイムを呼び戻すために書いた手紙を見せ、「軍も長い間ホーエンハイムを探している」と答える。

ロイがリゼンブールを訪れた理由については第十五・十六話で考察することにして、ここではエドの出した手紙について少し。軍事の全権を持つ大総統はホムンクルス・プライドであり、その背後に居るのはダンテである。「軍がホーエンハイムを探していた」というのは、おそらくダンテが軍を使ってホーエンハイムを探させていたのだろう。そして、そこへエドの手紙が回されて来たのである。当然手紙にはトリシャが危篤であることも書いてあっただろう。ダンテはエドの手紙から、リゼンブールにホーエンハイムの妻子が居り、妻は死期が近いことを知ったのである。また、兄弟が人体錬成を行った夜、ダンテは錬成で生まれたスロウスを連れ帰り、その際「こうなることはわかっていた」と言っている。トリシャの死後、ホーエンハイムの息子である兄弟が人体錬成を行うと予測していたのだろう。ということは、手紙がダンテの目に触れてから、兄弟は既にダンテの監視下にあったことになる…。

「ホーエンハイムの居場所は知らない」と、尚もピナコはロイを追い出そうとする。しかしロイは「人体錬成を行って命を取り留めたのならばホーエンハイムよりも興味深い」「いい国家錬金術師になるかもしれない」とエドを見つめる。人体錬成を否定し兄弟を守ろうとするピナコ。ロイは地位と名前を明かし「セントラルを訪ねるがよい」とだけ言い残して去って行った。

数日後、エドはピナコに機械鎧をつけてくれるように頼む。エドはロイの話を聞いており、国家錬金術師を目指すと宣言する。高額な研究資金や貴重な錬金術書の閲覧、増幅器でもある銀時計等、国家錬金術師の特権を挙げるエドに、ピナコは錬金術を軍事利用されることや戦争に駆り出されること、ロックベル夫妻が死亡したイシュヴァール内戦でも国家錬金術師が絡んでいたことを説いて思い止まらせようとする。しかしエドは「やらなければならないことがある」と譲らない。そんなエドにピナコは「まだ母の錬成を諦めていないのか」と疑念を抱く。

機械鎧の手術の数ヵ月後、川辺で久しぶりの組み手をする兄弟。アルはエドに国家錬金術師になることを諦めさせようとするが、エドの決意は固い。アルは問う。「まだ母さんを錬成する気なのか」「間違っていたと気づいたのではないのか」と。そしてアルは「自分が国家錬金術師になって兄さんの手足を元に戻す」と決意を語る。「そんなことを考えなくていい」と言うエドに、アルは「僕のせいだ」と叫ぶ。「左脚を失ったのは自分が反対しなかったせい」「自分の魂を定着させるために右腕まで失った」と。
この「反対しなかった自分が悪い」というアルの考え方は、第十一話で偽エルリック兄弟の弟フレッチャーに対しても語られる。「お兄さんが間違っているなら、止められるのは君しかいない」、つまり「兄が間違ってしまったら、それを止めるのは弟の役目」とアルは考えているのである。アルは「弟」であることに自負を持っているのかもしれない。
エドはそんなアルを制し、「お前の身体を元に戻す」と国家錬金術師になる目的を明かす。驚くアルに、エドは「母さんの命と等価交換できるものなんてない」「お前まで失いたくない」と語る。その言葉を聞いたアルもまた「二度と離れ離れになりたくない」と共に旅立つ決意を伝える。そんな兄弟をピナコとウィンリィが見守っていた。

夜明け前、兄弟は二人で家に火を放ち人知れず旅立った。この時点での兄弟は、卓越した錬金術の才能があるとはいえ無力な少年に過ぎない。「国家錬金術師になる」と言っても方法はわからず、アテがあると言っても一度会ったきりの軍人の「セントラルを訪ねろ」という言葉のみである。確かなものは何もない。それでも後戻りはできない。まさに背水の陣である。そしてこの時の決意の通り、兄弟はエドの機械鎧が壊れるまで、リゼンブールに戻ることはないのである。




第三話は、兄弟の母への想いや故郷での思い出、そして人体錬成を犯すまでの過程と旅立ちの決意が丁寧に描かれている。第一話・第二話は序章であり、ここからが本編開始といったところだろうか。
【2005.11.20 Sunday 22:00】 author : ペンギン | 鋼錬 | comments(0) | trackbacks(0) |
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